仏説 無量寿経 (巻上)

 『大無量寿経』ともいい、略して『大経』とも称される。この経は王舎城の耆闍崛山において、すぐれた比丘や菩薩たちに対して、釈尊がひときわ気高く尊い姿をあらわして説かれたものであり、諸仏がこの世にお生れになる用意は、苦悩の衆生に阿弥陀仏の本願を説いて救うためであるといわれている。
 上巻には法蔵菩薩が発願し修行して阿弥陀仏となられたことが説かれる。まず「讃仏偈」において師の世自在王仏を讃嘆し、続いてみずからの願いを述べ、ついで諸仏の国土 の優劣をみてすぐれたものを選び取り、それによってたてられた四十八願が説かれるが、なかでも、すべての衆生を救おうと誓われた第十八願が底子 の願である。次に四十八願の要点を重ねて誓う「重誓偈」が、さらに兆載永劫にわたる修行のさまが説かれ、この願と行が成就して阿弥陀仏となられてから十劫を経ているといい、その仏徳と浄土のありさまがあらわされている。下巻には仏願の成就していることが説かれ、衆生は阿弥陀仏の名号を聞いて信じ喜び、念仏して往生が定まると述べ、さらに浄土に往生した聖者たちの徳が広く説かれる。次に釈尊は弥勒菩薩に対して、人の世の悪を誡め、仏智を信じて浄土往生を願うべきであると勧められる。最後に無上功徳の名号を受持せよと勧め、将来すべての教えが滅び尽きても、この経だけは留めおかれ人々を救いつづけると説いて終っている。

 親鸞聖人は『教行信証』に、「それ真実の教を顕さば、すなはち『大無量寿経』これなり」、また「如来の本願を説きて経の宗致とす、すなはち仏の名号をもつて経の体とするなり」と示され、如来の本願が説かれ名号のいわれがあらわされた真実の教えであるといわれている。浄土真宗の底子 聖典である。